THINK BIGGER
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『THINK BIGGER』シーナ・アイエンガー・著 櫻井祐子・訳 NewsPicksパブリッシング
◆目次◆
はじめに
第1章 「Think Bigger」とは?
第2章 創造的な脳
第3章 ステップ1 課題を選ぶ
第4章 ステップ2 課題を分解する
第5章 ステップ3 望みを比較する
第6章 ステップ4 箱の中と外を探す
第7章 ステップ5 選択マップ
第8章 ステップ6 第三の眼
謝辞
訳者あとがき
参考文献
本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『選択の科学』で有名になった、コロンビア大学ビジネススクール教授、シーナ・アイエンガーによる注目の一冊。今回の『THINK BIGGER』は、同名の人気講座を書籍化したもので、ビッグビジネスにつながるアイデアの創出法を説明しています。
自由の女神像を作ったバルトルディやピカソ、高額だったアイスクリームを庶民も食べられるようにしたナンシー・ジョンソン、フォード、ニュートン、ビル・ゲイツ、発明家になったハリウッド女優で、Wi-FiやBluetooth、GPSなどのワイヤレス技術の基礎を作ったヘディ・ラマーなど、さまざまな事例が登場し、彼らのアイデアの「ネタ元」が晒されています。
そして、注目すべきは、これらの事例にも通じる、アイデア創出の重要なステップが示されていること。
メイン課題だけでなく、それを構成するサブ課題をリストアップすること、領域外を探索するために
「汎用検索」
「部分検索」
「並行検索」を行うこと、
自分の情熱を確かめるために他者に話すこと、専門家とユーザーの間で「トライアンギュレーション」を行うことなど、アイデアでイノベーションを起こすための手法が、明確に示されていて、じつに勉強になります。
引用
そもそも選べる選択肢が存在しない場合、どうしたらいいのだろう? そんなときは、すでにわかっている選択肢の中から選ぶのではなく、新しい選択肢を一から自分で生み出さなくてはならない
女神の大きさとかたちは、エジプトの墓を守る巨像をもとにしている。その役割と位置づけは、スエズ運河の灯台と同じだ。そのポーズは「真実」に、冠と名前、象徴的意味はリベルタスに由来する。そしてその顔は母親から得ている
【ナンシー・ジョンソンの事例】
「アイスクリームを庶民にも手が届くようにするには?」
やや大きすぎるこの問いをもっと解決しやすくするために、彼女はこれを4つの小さな「サブ課題」に分解した。
1.アイスクリームづくりに使う氷の量を減らすには?
2.アイスクリームをすばやく冷やし、長く保冷するには?
3.クリームの撹拌を省力化するには?
4.アイスクリームをよりなめらかでクリーミーにするには?
フォードがあらゆる場所を探し回ったことに注目してほしい。彼は人件費を減らすための新しい「戦術」を、食肉加工というまったく異質な業界から学んだ
ステップ1 課題を選ぶ
ステップ2 課題を分解する(サブ課題をたくさんリストアップしてから、5~7個に絞り込む)
ステップ3 望みを比較する(「あなた」「ターゲット」「第三者」の望み)
ステップ4 箱の中と外を探す
解決したい課題が見つかったら、それを3分から5分で説明する練習をしてほしい。課題を説明する文章(定義文)を紙に書き出し、何度も声に出して読んで、記憶にしっかり刻みつけようそれから「巡業」に出て、25人に聞いてもらおう
専門家とユーザーの間で、複数の視点からものごとをとらえる、「トライアンギュレーション」を行おう。つまり、専門家には「視覚障害者はこう言っていましたが……」と切り出し、ユーザーには「専門家はこう言っていましたが……」と伝えて、それに対する意見を求めるのだ
本書を読んでいると、起業であれ商品開発であれ、大事なのは出発点なのだということがよくわかります。そして、その出発点を、偉大なイノベーションに繋げるのが、と細部を掘り下げるための手法、領域外からのアイデア、そして本人の粘り強さ。 この本のおかげで、アイデア創出からイノベーションにつながるブラックボックスが、明確に示されたと思います。